シリーズ「スカルプテッド・プリムをつくる」のランディングページです。既に、過去の遺産となりつつあるレガシーテクノロジーを、現在の環境で再現。SecondLifeでものづくりをしている人向けに、環境構築方法を詳しく紹介します。
スカルプテッド・プリムをつくる
まえがき
2018年4月。必要に迫られ、スカルプテッド・プリムの製作環境をゼロから構築することとなりました。情報収集を試みましたが、SecondLife がメッシュ時代に移行して既に十年弱の月日が経ってしまった現在においては、理屈も仕様も知らない人間が当時の製作環境をヒョイっと拝借して手っ取り早く作るわけにはいかなさそうです。まず、blender のバージョンが違う。どのバージョンにどのプラグインを組み込めばいいのか判らない。そもそも、スカルプテッド・プリムってなに??状態なのです。どうにもこうにもハードルが高すぎます。
さて、失われた古代技術を復活させる心持ちで公式 Wiki の仕様書を読むことからはじめたのですが、どうにも情報が不足しているし、読めば読むほど「いちばん欲しい部分に限って間違っている」可能性が濃厚になる始末。結局、仮説を立て検証してみるしかないと諦め、試行錯誤の末なんとか概要を把握するに至りました。
繰り返しになりますが、現在 SecondLife は右も左もメッシュばかり。スカルプテッド・プリムは影をひそめてしまっています。が、サイズが大きく頂点数もある程度必要なもの ─── 例えば、樹木や岩などでは LI が小さくて済むという大きな利点があり、メッシュと共存することが十分可能なポテンシャルを持っていると思います。しかし、古い仕様のためなにかと制約が多く、同時に生きた情報が少なく、やってみたいけどさっぱり判らないという人が一定数いるのではないかと推測しています。
そういうわけで、スカルプ人口が少しでも増えたらという思いを込めつつ、今回私が製作環境を構築した際に得た知識やノウハウを時間があるときにまとめていきたいと思います。まとめ終わるまでにずいぶん時間がかかるかもしれませんが、長い目で見ていただけたら幸いです。
製作環境
以下のソフトを使いスカルプテッド・プリムを製作、そのスカルプトマップ(虹色画像)を書き出します。尚、書き出しは blender 組み込みの Python を使いますので、別途プラグインをインストールする必要はありません。
- blender 2.78a
表記の統一
本ページでは以下の表記に統一します
- スカルプテッド・プリム
- スカルプトマップ … いわゆる虹色画像のこと
- ディフューズ・テクスチャ … スカルプテッド・プリムの表面に貼るテクスチャ画像
スカルプテッド・プリムに関する予備知識
製作環境を構築する
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- Plane64x64.py … スカルプトマップ書き出しスクリプト(33×33平面型用)
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- Cylinder64x64.py … スカルプトマップ書き出しスクリプト(32×33円柱型用)
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- Sphere64x64.py … スカルプトマップ書き出しスクリプト(32×33球型用)
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- Cylinder16x256.py … スカルプトマップ書き出しスクリプト(8×129円柱型用)
- Cylinder8x512.py … スカルプトマップ書き出しスクリプト(4×257円柱型用)